日頃何気なく耳にしている言葉も、改めて考えてみるとどういう意味なのかわからないということがあります。
シーザーサラダの「シーザー」とはどういう意味かご存知でしょうか。この記事では、シーザーサラダの名前について、そしてシーザーサラダとはどんなサラダなのかについても徹底解説したいと思います。
シーザーサラダの”シーザー“はジュリアス・シーザーではない!
シーザーサラダの名前の由来は「ジュリアス・シーザーが好んで食べたサラダだから」という話を聞いたことがある方は、もしかしたらたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
例えば雑学の番組や本でそのような解説を見たことがあるという人がいらっしゃるでしょう。しかし、これは事実ではありません。
シーザーサラダの「シーザー」は、シーザーサラダを初めて作った料理人・シーザー・カルディーニという人物の名前から取られています。
そのため「シーザーのサラダである」という点は正しいのですが、シーザー=ジュリアス・シーザーというイメージからこういった誤解が生まれてしまっているのです。
シーザーサラダは、1924年の7月4日に彼によってメキシコの料理店で初めて調理されました。
シーザーサラダが有名になったことには理由があります。それは、シーザー氏の料理店がアメリカとメキシコの国境の近くにあったということです。
この当時アメリカでは禁酒法が制定されていたため、酒を飲めずに鬱憤をためていた人々が多数存在していました。そのため、アメリカから国境を越えてメキシコのこの料理店へと人が多数訪れました。
シーザーサラダは当初は店にある材料を使ったありあわせの料理として振る舞われましたが、これが人気となり「シーザーサラダ」となりました。
その発祥の経緯には少し違う説もある
場所はやはりメキシコの料理店ですが、作った人物はシーザーではなくアレックスという人物であり、シーザーはその兄で料理店のオーナーであったという説もあります。
また、元々は飛行士サラダという名前だったようです。何故かと言うと、このレストランの近くには飛行場があったためです。
さらに別の説では、「シーザー」はこの地にあるホテルの名前だったというものもあります。
少なくとも時代がまったく異なっているため、ジュリアス・シーザーと関係ないことは間違いありませんが、由来ははっきりしていないのが現状です。
ジュリアス・シーザーはシェイクスピアが手がけた劇で有名となった人物で、紀元前のローマに生きていました。そのため、間違いなくシーザーサラダを食べる機会はありません。
基本的に因縁はありませんが、ロメインレタスはギリシャからローマを経て西洋に伝わっていった野菜です。
シーザーサラダはシーザードレッシングをかけるサラダ
シーザーサラダを食べたことがない方のために、シーザーサラダがどのようなサラダであるのかを解説します。
材料としてもっとも重要な野菜は、ロメインレタスです。普通のレタスではなく、ロメインレタスを使うことが特徴です。
ロメインレタスは、葉っぱが通常のレタスよりも細長くなっている品種です。北アメリカでは非常に人気がある野菜で、いつでも入手可能です。また、別名としてコスレタスとも言われています。
苦さがあることが特徴のレタスで、これは外側にある葉の葉脈から出る乳液によるものとなっています。
癌の予防にも効果的な野菜です。これは、抗酸化物質が入っているためです。
シーザーサラダ以外には、中東の料理にもよく使われています。日本では基本的にサラダに使用されていますが、スパゲッティやおひたしにも使われることがあります。
ロメインレタスの他には、シーザードレッシングをかけ、さらに粉状のパルメザンチーズを加えてクルトンを乗せれば完成となります。
シーザードレッシングは、にんにくや塩、オリーブオイル、そしてレモン汁を混ぜることで作ることが可能です。
クルトンはパンを四角に切り、焼いたものです。カリカリしていてとても美味しい食材です。
基本的には材料はこれで全部ですので、なかなか作りやすいサラダではないでしょうか。
シーザーサラダのバリエーションは多数
シーザーサラダの発祥については以上のとおりですが、料理ということで、様々な作り方の違いが存在しています。
例えば、シーザードレッシングではなくフレンチドレッシングをかけるというものです。フレンチドレッシングは、酢、油、塩、胡椒を混ぜて作るものです。
具材についても、近年ではロメインレタスとクルトンだけでは具が少なく感じられることもあるため、この他にエビやサーモン、ステーキ、鳥の胸肉といったものを他に加える事もあります。
シーザードレッシングの作り方も、プレーンヨーグルトを用意してマヨネーズとレモン汁、塩、粉チーズ、ブラックペッパーを混ぜるという方法が存在しています。
ロメインレタスの代わりに白菜を使ったり、普通のレタスやキャベツ、ベビーリーフを使うといったアレンジ方法も存在しています。