近年、ダイエットの方法の一つとして「過食嘔吐」を選ぶ人が増えているようです。
もしやこの記事を読んでくださっているあなたも、そういうった興味をお持ちの方でしょうか?
ダイエットは食事制限がなにより辛いですよね。
だったら、思うままに食べて、それを吐いてしまえば過剰なカロリー摂取を防ぐことができる過食嘔吐は、とても理想的なダイエット方法に思えてしまいます。
でも、リスクも多くあると言われています。
今回は、過食嘔吐の本当のところについて調べてみました。
痩せるのか、太るのか
実はいくら嘔吐しても太り続けてしまうことがあるそうなんです。
それというのも、仮に食事のたびに吐いてしまったとしても、必ずいくらかは胃の中に残り、それは栄養として吸収されます。
さらに、嘔吐しているから大丈夫…と思うあまり、脂肪や糖分のたくさん含まれる食品・飲料を大量にとってしまいがちなため、結果的に普通の量の食事をそのまま食べるより高カロリーになってしまうということが起こるのです。
吐いてしまえばすべてリセットできるわけではないのですね。
過食嘔吐のリスク
それでも痩せられるならなんでもいい! と思ってしまうこともあるでしょう。
けれど、過食嘔吐のリスクはかなり大きいことも知っておきましょう。
肌荒れ
細胞をつくるためのタンパク質や、肌をなめらかにするためのビタミン・ミネラル類がきちんと摂取されないため、肌荒れは確実に起こります。
また、成長期であれば身長の伸びが止まります。
無月経
ホルモンバランスも崩れるために起こります。
若い女性であれば、将来的に不妊の原因にもなりかねません。
肥満体質になる
栄養不足の状態が続くと、体が飢餓状態だと判断してわずかな食事からでも栄養をめいっぱい吸収できるようにしてしまいます。
結果として、太りやすくなってしまうのです。
筋肉が落ちる
飢餓状態になったと判断すると、体は生命を維持するためのエネルギーを、筋肉などのタンパク質を分解することで補おうとします。
その結果、必要な筋肉も削げ落ちてしまい、筋肉が落ちることで骨格を支える力がなくなってしまうので、スタイルが悪くなってしまいます。
歯が溶ける
嘔吐の際に胃酸が逆流してきますが、日常的に吐いていると歯が溶けてしまいます。
実際に、過食嘔吐のために義歯にするケースがあるそうです。
食道炎になりやすい
逆流してくる食べ物や胃酸によって、食道が傷ついて炎症を起こします。
長年にわたって繰り返していると、食道がんの原因にもなります。
脅しているわけではなく、これらは過食嘔吐で確実に起こるリスクなのです。
心と体を守るために…
軽い気持ちで始めた過食嘔吐を繰り返しているうちに、それがやがて本格的な摂食障害になり、精神的にも不安定になってしまうというケースが増えているそうです。
もともと「痩せたい」という気持ちがあまりに強いために、過食嘔吐という方法を選んでしまい、それが思うように結果が出なかったり、痩せるのは痩せても体に不調をきたしてしまったりすると、かえって精神的に追い詰められてしまうのでしょう。
ダイエットからの摂食障害で、心療内科での治療を受ける人はとても多いとのこと。
「痩せているのが美しい」というのが、今の世間の根強い雰囲気となっています。
容姿に気を遣う若い女性であれば、それを無視することができず、ダイエットの深みにはまりこんでしまうことがあります。
けれど、体や心に不調が出てしまっては元も子もありません。
やはりダイエットは「無理なく」がいちばんです。
いかがでしたでしょうか?
今あなたが過食嘔吐ダイエットに興味をもっているのなら、どんなに体重のことで悩んでいても、体だけでなく心が壊れるリスクのある方法は、できるだけ避けたほうがよいと思います。
そしてすでに過食嘔吐を実行なさっている方であれば、少しお休みなさってみてくださいね。