ご飯をしっかり食べたあとって、なんだか眠たくなってしまうもの。
でも「食べてすぐ寝ると太る」ってよく聞きます。
そうそう、子どものころには「牛になるよ!」なんて言われていましたね。
実際のところ、食後の睡眠というのは体にどんな影響があるのでしょうか?
太る? 太らない?
結論から言うと、食後すぐに寝たからといって、必ずしも太るわけではありません。
肥満は、基礎代謝を上回るカロリーを摂取することが直接の原因だからです。
ランチのあとの軽い昼寝であれば、むしろ消化の助けになると言われています。
ちょっと安心された方が多いのではないでしょうか。
とはいえ、気をつけなければならないのは、夕食後の睡眠です。
私たちの体の活動を調整している「自律神経」には、昼間に活発に働く交感神経と、夜に優位になる副交感神経とがあります。
この副交感神経には、体をリラックスさせ、取りこんだカロリーを脂肪として蓄える働きがあるのです。
たとえば飲み会のあとで真夜中にラーメンを食べてそのまま寝てしまう…なんてことをすると太ります。
睡眠そのものよりも、食べて・眠る時間帯がポイントだったのですね。
ダイエットに効果はあるの?
食後に眠るといっても熟睡ではなく、昼食後の軽い休息であれば、なんとダイエットの効率を上げることができます。
食べたものを消化することは、実は体にとても負担のかかる作業なのです。
野生動物はみな、食後に眠っていますが、あれは消化を助けるためなのですね。
私たちの場合、食後に10〜20分ほど横になって休むと、胃や腸などの消化器官や肝臓への血流の負担を軽くすることができます。
とりわけ、肝臓は基礎代謝に大きく関わる臓器ですので、肝臓の働きをサポートすることは、結果的に代謝がよくなって、ダイエットが成功しやすくなるのです。
お行儀が悪いといわれていた「ゴロ寝」が美容や健康にいいなんて、なんだか嬉しいですね。
さてこのゴロ寝にもコツがあります。
- 体の右側を下にして眠ること。
- 足を少し高くすること。
左側を下にすると、内臓の位置関係上、胃の上に肝臓が乗ってしまうのだそう。
また、足を上げることで、血液が負担なく内臓に流れこむ助けになります。
消化不良になるかも?!
では、食後に熟睡するとどうなるのでしょうか?
夕食後であれば、肥満のリスクを増やすことはすでに書きましたが、他にも問題が起きやすくなります。
消化の途中で熟睡してしまうことになると、長い時間胃の中に食べ物が入っていることで、消化器官に負担がかかり、胃もたれを感じることがあります。
また、睡眠の質を低下させてしまうことになります。
睡眠中であっても、消化器官は動き続ける=エネルギーを消費し続けるため、ぐっすり眠ったはずなのに、疲れが取れないということになりかねません。
もっと怖いのは、食後すぐに横になってしまうと胃酸が逆流しやすくなること。
「逆流性食道炎」という症状のある人ならば、これによって炎症が悪化してしまうのです。
繰り返していると、やがてガンになるリスクが生じてしまうことに…。
いかがでしたでしょうか?
食後の休息・睡眠が、こんなに健康維持にかかわるとは思いもしませんでした。
子どものころに聞かされた「食べてすぐ寝ると牛になる」も、実は奥深い言葉なのかもしれないですね。
自分の体と相談して、食後のお昼寝をしたり、夕食の時間に気をつけて健康管理できたらいいですね。